スクリューフィーダーは、粉体や顆粒を一定量ずつ安定して供給するための装置で、多くの産業分野で使用されています。その性能の中心となるのが「スクリュー」です。一見すると単純な部品に見えるかもしれませんが、実はスクリューの形状によって、供給精度や適した原料が変わってきます。
一般的に使われているスクリューってどんなの?
弊社では芯有スクリューや標準スクリューと呼んでいる、汎用性の高い形です。
中央に軸があり、単一の羽根が螺旋状に巻かれたシンプルな構造になっています。
ホッパー(原料タンク)からスクリューフィーダーの中に原料が投入され、回転しながら羽根とスクリュー軸の間に均等に原料が入り込む事で、定量搬送を可能にしています。

この↑羽根とシャフトの隙間に原料が均等に入り込む事で定量性が保たれます
流動性の良い粉体はもちろん、
付着性や粘性がそこまで高くない原料であれば対応可能です。
化学、食品、樹脂、セラミックなど幅広い業界で使用されており、日常的なバッチ投入や、連続的な定量供給においても安定した性能を発揮します。
【特徴】汎用性が高く、安定した定量供給が可能。業界問わず粉体・粒体・顆粒など幅広く対応できる。
どんな原料にも適正あり?
弊社に問合せをいただく粉体は幅広く、その物性は多岐に渡ります。例えば
付着性・粘性がとても高い原料などは、搬送を繰り返していく内に少しずつスクリューに付着し、それらが蓄積されていきます。結果、上記で書いた羽根とシャフトの間に原料がビッチリ!と詰まるなんてことも起こります↓↓

今までの実績だと、付着性が高い炭酸カルシウムや顔料などはよくこの現象が起きますね。こうなると定量性はおろか、ほとんど原料が出てこなくなることもあります。
そのような原料に適したスクリューは、この芯無(中空タイプ)です。

芯無スクリューは、中心軸がなく、羽根だけで構成されているのが特徴です。この構造により、ピッチ間にビッチリと詰まる事がなくなります。付着も最低限で済むため、吐出量や精度も改善されます。

数時間のテスト後での様子↑(顔料のバッチ計量)
【特徴】原料が中心軸とスクリュー間に詰まる心配がなく、
付着性の高い粉体(湿った粉、油分を含む原料など)に効果を発揮。※芯が無い分定量性が下がるため、原料によっては精度が落ちる可能性あり
高精度を狙いたい場合は?
量よりも精度を重視されたい場合は、二条スクリューを推奨いたします。羽根が2本並列に巻かれている構造により、スクリューの送り量がより一定になり、供給精度が高まるのが特徴です。また、スクリューの回転当たりの搬送量は単純に羽根1本よりも少なくなるため、より細かな制御が可能です。下の様に比べてみると、違いが分かりやすいですね。
二条スクリュー 羽根2本

標準スクリュー 羽根1本

主に微量定量供給に特化した用途で用いられ、例えば試薬の計量や、実験用途での少量の計量などに適しています。ただし搬送能力は控えめであるため、大量供給には不向きです。
【特徴】スクリューの羽根が2本ある構造で、原料の流れが安定しやすく、
高精度な供給が可能 。試験装置や小バッチ処理など、少量供給向き。
まとめ
スクリューフィーダーを選定する際、原料の性質や求められる精度によって最適なスクリュー形状は異なります。
- 標準スクリューは最も汎用性が高く、幅広い業界の原料に対応でき、
- 芯無スクリューは付着しやすい粉体、粘性が高い原料に適正あり、
- 二条スクリューは微量・高精度の定量供給に強みがあります。
現場のニーズや原料特性に応じて、最適なスクリュータイプを選定することが、トラブルの少ない安定稼働につながります。弊社のテスト機では、この3タイプを全て揃えておりますので、試験段階でお客様の原料にはどのスクリューが適しているかを確認する事が可能です。気になられた方はぜひお気軽にお問い合わせください。