技術と製品紹介

医薬品製造における粉体定量供給機の選定-高精度・高サニタリー性をもつフィーダー基準

医薬業界向けの粉砕機(ジェットミル)への粉体原料の投入は定量的である必要があります。振動フィーダーでは、様々な特性を持つ粉体原料を安定供給することができません。スクリューフィーダーを採用することで定量性を確保し、よりよい製品づくりに生かすことが重要です。医薬向けに使用可能なフィーダーの条件について解説します。


1.医薬品製造におけるスクリューフィーダーの重要性

医薬品製造現場では、製品の品質管理が極めて重要です。特に、粉砕機として採用されることが多いジェットミルへの粉体の正確な供給は、最終製品の均一性や安全性に直結します。このような環境では、スクリューフィーダーが果たす役割は大きく、安定した定量供給が求められます。

なぜスクリューフィーダーが重要なのか?
スクリューフィーダーは、特に微量であっても正確に粉体を供給する機能を持ち、医薬品製造の品質を保つために欠かせません。粉体の流動性が低い原料や湿度に影響されやすい原料でも、スクリューフィーダーは適切な制御をすることができます。

弊社の強み
弊社は、医薬業界特有の要件を満たす高精度なスクリューフィーダーを設計・製造しています。粉体の均一供給における弊社の長年の経験が、医薬品製造現場で信頼される製品の開発に繋がっています。


2.医薬用途における材質の選定

医薬品の製造では、粉体が接触するすべての部品が非常に厳しい衛生基準に適合する必要があります。材質の選定は、製品の安全性を確保するための重要な要素です。

SUS316Lを選定する理由
医薬品業界で一般的に使用されるステンレス鋼、特にSUS316Lは、耐食性が高く、長期間にわたって清潔な状態を保つことができるため、医薬品用機器の材質として広く採用されています。SUS316Lは、高い耐腐食性を持ち、錆や異物混入を防ぎます。また、製品の汚染を避けるためにも、表面の滑らかさが重要です。

弊社の対応力
弊社では、材質選定の段階から医薬品業界のニーズに合わせた提案を行っており、特にSUS316Lを用いた製品においても多くの実績があります。


3.溶接後の仕上げと重要性

スクリューフィーダーの製造において、溶接部分は特に注意が必要です。溶接による凹凸や表面の荒さは、粉体が付着し残留しやすく、異物混入の原因となる可能性があります。そのため、医薬品向け機器では、溶接後の仕上げが品質維持にとって重要になります。

溶接仕上げのポイント
溶接後、接粉部にはバフ研磨を行いますが、そのままだと凸凹部分(ビード)はそのまま残ってしまうため、このビードを削り落とす作業(ビードカット)が重要になります。その後、さらに電解研磨を施すことで表面を滑らかにし、腐食を防ぐだけでなく、微細な粉体も引っかからずに流れるようにします。また、こうした処理により、CIP(洗浄)やSIP(滅菌)にも適合する表面状態が得られます。

弊社の対応力
弊社では、医薬用途に適した溶接技術と仕上げ処理をに対応しています。熟練の技術者が高度な溶接仕上げを行い、医薬品製造に最適な機器を納品しています。


4.研磨仕上げと異物混入防止

医薬品製造では、異物混入を防ぐことが最大の課題です。そのため、スクリューフィーダーの表面には高い研磨仕上げが求められます。表面が粗いと、粉体が付着し残留しやすくなり、これが製品への異物混入のリスクを高めます。

研磨の種類と表面粗さ
研磨には、バフ研磨や電解研磨などの種類がありますが、医薬用途では表面粗さ(Ra値)を厳密に管理する必要があります。バフ研磨は、番手が上がるほど表面の滑らかさは高くなります。しかし表面を拡大してみると、厳密には凸凹が残ったままの状態です。この凸凹を完全に平らな状態にするために電解研磨を施工します。これにより異物混入のリスクが大幅に低減されます。

弊社の対応力
弊社は、医薬業界で求められる高精度の研磨仕上げに対応しております。バフ研磨には通常対応しており、電解研磨についても医薬向け機器において多くの実績をもっています。


【第5章:医薬仕様での設計上の注意点】

医薬品製造機器の設計では、徹底した衛生管理が求められるため、スクリューフィーダーの構造にも特別な配慮が必要です。デッドスペースや洗浄が困難な箇所は、細菌の温床となるため排除する必要があります。

設計の工夫
スクリューフィーダーの設計では、粉体が滞留しないよう、すべての部品が滑らかな曲線で接続されていることが重要です。また、CIP/SIPに対応した設計も必須であり、機器の分解やメンテナンスが容易であることも重要です。

貴社の対応力
セイワ技研では、医薬業界向けに特化したカスタマイズ設計を提供しており、顧客のニーズに合わせた構造設計を行っています。デッドスペースをなくし、簡単に分解・洗浄ができる設計を実現しています。


6.弊社の対応力と実績

医薬業界は、厳格な規制と高い品質基準を持つ市場であり、製造機器にも高度な技術が要求されます。セイワ技研では、これまで数多くの医薬品向け機器を手掛け、その中でも特にスクリューフィーダーにおいては、粉砕機メーカーからも高い信頼をいただいています。

実績と信頼
医薬品メーカーや粉体機器メーカーとの協力を通じて、弊社は各社の要件に応じた高精度な機器を提供してきました。既存のスクリューフィーダーに加え、医薬向けにカスタマイズされたモデルも製造しており、粉体供給の効率化と品質管理をサポートしています。