弊社で取り扱う粉体供給機・搬送機へのご相談をいただいた際、
まず最初に必ずお伺いする項目の一つに「嵩比重(かさ比重)」があります。
比重には、その物質そのものの「真比重」と機器選定の際に必要となる「嵩比重(かさ比重)」とがあるためによく混同されます。
ここでは粉体機器選定の際に必要となる粉体原料の嵩比重(かさ比重)についての簡単な測定方法についてご説明します。。
「嵩比重(かさ比重)」と検索すると、「物質以外に空隙を含む物体の重量の値」「粉粒体の質量を、空隙を含む容積で除して求めた比重」…と、難しそうな説明がしてあります。
実際のところは奥が広いことには間違いがないのですが、弊社でお伺いする嵩比重(かさ比重)では、そこまでの専門知識は不要です。
実際に私たちがテストの際、どのようにして嵩比重を(かさ比重)を測定しているか説明させていただきます。
準備するもの
①試料容器
天面で擦りきりで量れる容器が理想ですが、目盛りが付いている容器であれば
メスシリンダ、ディスポカップなどでも問題ありません。
容器内の粉の状態が確認できる透明容器を使用してください。
②電子天秤
精度が高いに越したことはありませんが、おおよその質量がわかればよいので
電子表示されるものであれば問題ありません。
私たちが普段使用しているのは、100ccが計量できる透明容器(ディスポカップ)です。
まずこの容器だけを量ると、7gと出ました。
これをメモしておく、または風袋引き機能がある電子秤であれば0点をとります。
次にこの容器に原料を100ccまで投入します。
この時に、トントン叩いて(タッピング)ならすのはやりすぎないよう注意してください。
できるだけホッパー内に投入された状態を再現したいので、詰め込まず自然にふわっとした状態で入れるのがポイントです。
計量すると、37gと出ました。
風袋引きしていない場合は、容器の質量7gを含むので44gと出ます。
この粉体原料だけの質量37gというのが100cc分の質量になります。
この原料のみの質量37gを容積(100cc)で割ると、0.37になります。
これが嵩比重(かさ比重)になります。
容積に対してどれくらいの質量になるかを示した数値、と認識いただければよいでしょう。嵩比重(かさ比重)は、嵩密度(かさ密度)や見掛け比重とも呼ばれます。
今回ご説明した方法は、嵩比重(かさ比重)の簡易的な測定方法になります。
カップで粉を量るため厳密な測定にはなりません。
実際には、原料の入れ方によって数値は多少前後しますが、0.1なのか0.8程度あるのかというざっくりした値を知るのが目的なので、この位アバウトな数値情報で問題ありません。
同じ100ccでも極端に比重の軽いカーボン粉(0.1以下)から少ない量でもかなり重い金属粉(3.0以上)まで世の中には様々な粉体があります。私たちはその値をベースにして、お客様のご希望供給能力に合わせた仕様を導き出しています。
嵩比重(かさ比重)は、その最初のステップとしてお伺いしたい重要な情報になります。