技術紹介

鏡面仕上げのステンレス磨き仕様

ステンレス バフ研磨 電解研磨

表面ピカピカのステンレス鏡面仕上げは、主に食品や医薬向けの装置に使用されます。
もちろん見た目がキレイだから磨く・・・わけではありません。

表面がきれいだと何がいいのか?
スクリューフィーダーの場合はスクリューや外筒(ケーシング)の内面、またホッパーの内面など直接粉に触れる箇所つまり接粉部のすべりがよくなるため、付着した粉末原料がきれいに落ちやすいという利点があります。

洗浄の際に洗い残しをなくしやすくすることは衛生面において非常に効果が高いということになります。ベースとなる材質がステンレスということに加えて、より安全性において付加価値を高めることができるわけです。

この研磨ですが、一般的には「バフ研磨」といって、ステンレスの表面に磨き粉(バフ粉)をつけた高速の回転体を使って磨いていきます。表面を削って滑らかなピカピカ面に仕上げていくわけです。車の塗装面を機械を使って磨くのと似ています。

一般的な磨きはこれでOKなのですが、医薬などより高い安全性を求められる装置の場合は、もう一段階上のグレードで磨きをかけます。「電解研磨」といわれる方法になります。

バフ研磨は、光っているので表面も滑らかに見えますが、拡大してみると実は表面は磨いた後の極微細な凸凹状になっており、凹のヘコミ部分には磨きの際に使用したバフ粉が入り込んでしまっています。電解反応を使ってこの極微細な凸凹を溶かして平滑化、真の鏡面化に仕上げていくのが電解研磨になります。

この場合は金属の材質も一般的なステンレスのSUS304ではなく、SUS316Lというより耐食性に優れたものを使用します。

また医薬用途の場合は、スクリューなど接粉部の溶接個所について、溶接後に残る突起物を削って滑らかにしてから電解研磨の処理を行うなどもうひと手間かけます。こうすることで、より表面が滑らかになり残渣も残りにくくなります。

どのような製品を生産される工程で使用される装置なのかによって、どこまでの仕上げレベルで高い安全性を確保するのか、にこだわって機械の方も製作されているのです。医薬用の設備が高価になるのも理解いただけるのではないでしょうか?