問題解決事例

2mの高さへ粉体原料を補給(垂直コンベア)

垂直スクリューコンベア

「スクリューフィーダーを設置して粉体原料を定量供給できるようになった。
ホッパーへ下限センサを付け、原料が残り少なくなったらアラームで教えてくれる。
ただそのホッパーへの原料補給作業を毎回人手で行っており、2mほどの高さだが階段を使って重い原料を持上げて投入する、この毎回昇り降りを繰り返す作業が危険であり重労働のため何とか改善したい。」

このようなお悩みを持たれる現場のご担当者様も多いのではないでしょうか?

弊社で相談を受けた時にご提案は大きく分けて2つ
①スクリューコンベアによる補給
②エア搬送による補給
です。

今回はこの内①のスクリューコンベアについて解説します。
まずスクリューコンベアで高所へ原料を持上げる方法としては、傾斜をつけて持上げるか垂直に持上げるか、という2択になります。

一般には傾斜のイメージになると思いますが、傾斜コンベアのデメリットとしては、場所をとる、という点になります。できるだけコンパクトに収めようとすると、傾斜角度を急にするしかありません。

それでも一般に45度以上の傾斜をつけると、水平時の搬送量の約半分~それ以下に効率が落ちてしまいます。従って供給量を増やすためには、スクリュー径を大きくしていくしかありません。

フィーダー径が大きくなればなるほど、メンテナンス性は極端に悪くなります。例えば2m持ち上げるのに45度傾斜だとコンベアの長さは約3m弱必要になります。60度の急角度にしても2m以上は必要という計算になります。長さが長くなればなるほど分解が大変になるのは想像いただけると思います。

そこで弊社では、2m程度の持上げであれば『垂直スクリューコンベア』をご提案のひとつに入れています。垂直コンベアは、原料特性によって「垂直のみ」の場合と「水平-垂直の2本構成」の場合に分けられます。

ペレットなど粒状のものや粉でも顆粒に近く流れが非常によいものの場合は、ホッパーから垂直1本で直接持上げることが可能です。粉砕材や少しふわふわしたような、それだけでは自然に流れがつくれないような原料の場合には、水平送りで送り量を調整しながら垂直に持上げる必要があります。

垂直コンベア最大の特長は、やはり「省スペース化」になると思います。
確かに傾斜の時と同じくメンテ性がよいとは言えませんが、2mほどの長さであれば最悪分解の必要が出た際にも十分対応が可能です。

キャスターがあれば必要なときだけ引っ張ってきて設置する、なども可能になりますので、利便性を考えると一考の価値はあるのではないでしょうか?

ただどうしても扱う原料によって対応可否はありますので、興味をお持ちであればぜひ一度テストをご依頼ください。