ここ数年防爆仕様でスクリューフィーダーの製作依頼を受けるケースが多くなっています。
スクリューフィーダーで防爆となると、防爆モーターを使用してスクリューを回転させる、ということになるのですが、よく言われるのが「安増でいいよ」つまり安全増防爆モーターを使用してくれという要求です。
このようなケースの場合、大方は”ゴリゴリの防爆でなくてもいいが、とりあえず防爆と呼べる仕様にしておきたい”という意図のものです。
しかしこれは結論から申しますと、弊社の考えとしてはNGという回答になります。
スクリューフィーダーではスクリュー回転数を可変させることは制御上必須ですが、安全増防爆ではインバータを使用することができません。組み合わせて使用すること自体が認められていないため可変速制御ができないのです。
そのためスクリュー回転数を可変させる、つまりインバータを使用するためには「耐圧防爆モーター」を使用する必要があります。とはいえ、インバータの入った制御盤を防爆エリア内に設置することは認められていませんので、非防爆エリアへ設置する制御盤内に配置することになります。
ただ2022~2023現在の状況として「防爆インバータの納期は10ヶ月」です。
コロナによる半導体不足の影響が続いていますが、正直これは現実的ではない状況です。
急ピッチでプロジェクトが進み修正される変化の激しい現代で、1年先を見越して発注するというのは判断が難しいケースも多いのではないでしょうか?特に開発など早く結果を得るというスピードが求められるケースではなおさらです。
そこで動作にかなり制約は入りますが弊社からのひとつの代案として「エアモーターの使用」をご提案しています。オールエアー駆動であれば防爆エリアでの使用も問題なく行えるというわけです。
ただしエアならではのメリット、デメリットも存在します。
よい点、悪い点についてもよく理解された上で、許容できるのであれば検討される余地は十分にあるものと思います。
メリット
・納期が早い(現状2~3ヶ月で製品として納品まで完了)
・制御がシンプル(エア流量の制御だけなのでコンパクトにまとまる)
・エアだけ確保できれば移動して運転することが可能
デメリット
・エア量はそこそこ必要になる(エアのみで駆動するため、ある程度しっかりしたエア環境が整っている必要がある)
・電気に比べると他設備との連動など細かい制御はできない
・電気と比べるとモータ寿命は短い
弊社は電気・エア、どちらの防爆仕様にも対応しています。
特に計量が必要なケースでは、防爆ロードセルの特性ならではの注意点等も多々ありますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。