問題解決事例

粉体付着問題の改善策-ホッパーやスクリューフィーダーの効率向上のために

粉体の付着性は、多くの業界において、ホッパーやスクリューフィーダーなどの接粉部に粉体が付着することにより、原料の流れが悪化し、歩留まりの低下やメンテナンスの頻度増加を引き起こします。これを防ぐためには、以下のような具体的な改善策が考えられます。

1. 接粉部のコーティング・ディンプル加工技術の活用

接粉部に特殊なコーティングやディンプル加工(凹凸)を施すことで、粉体が壁面やスクリューに付着するのを抑制できます。一般的には、テフロンコーティング、マイクロディンプル処理がよく使われます。これらのコーティング・ディンプル加工は表面の摩擦を減少させ、粉体が滑りやすくなるため、付着を防ぎやすくします。

2. 振動機能(バイブレータ)の追加

ホッパーやスクリューフィーダーに振動機能を追加することで、粉体の付着を防ぐことができます。微細な振動は、粉体を移動させやすくし、壁面に張り付くのを防止します。振動モーターを組み合わせることで、付着しやすい粘性の高い粉体でも効果的な対策となります。

3. エアブローの導入

エアブローシステムを導入し、ホッパー内やフィーダー内の接粉部に圧縮空気を吹きかけることで、付着した粉体を剥がし、流れをスムーズにすることが可能です。特に粘着性の強い粉体には、エアナイフや局所的なエアジェットシステムが有効です。

4. 接粉部の研磨処理

ステンレスの表面を滑らかにするようバフ研磨(ミガキ)処理をします。見た目が鏡のようにピカピカに磨き込むことで、粉体が付着しにくくなります。特にSUS304やSUS316Lなどの表面処理を施したステンレス素材は、粉体の流動性を高め、付着を軽減します。弊社の標準は、接粉部SUS304にバフ研磨処理(#400)となっています。

5. スクリュー形状の改善

スクリューの形状を変更することで、粉体の付着を軽減することができます。付着性の高い粉体に対しては、ピッチの大きなスクリューやスクリュー軸のない羽根だけのコイル形状を採用することで、粉体がスムーズに流れるようになります。

6. 温度管理

粉体が温度変化により付着しやすくなる場合には、温度管理も重要です。ホッパーやスクリューフィーダーの温度を適切に管理することで、湿度や静電気の影響を最小限に抑え、付着を防止することができます。冷却や加熱を行うシステムを導入することで、粉体の粘性や凝集を防ぐことが可能です。

7. 静電気対策

静電気による粉体の付着も考えられるため、導電性のある材質を使用したり、帯電防止剤を使用することで静電気を抑制し、粉体の付着を防ぐことができます。アース接続やイオナイザーを使用することも効果的です。