問題解決事例

異物混入防止を実現する製造工程のクリーン化

異物混入(コンタミ)は、製品の品質に重大な影響を与え、特に化学、食品、医薬品の製造においては安全性を脅かす重要な問題です。異物混入を防ぐためには、製造工程のクリーン化を進め、粉体が取り扱われる全ての段階で徹底した管理が必要になります。

1. スクリューフィーダーの密閉構造による異物混入防止

スクリューフィーダーは、基本的には密閉環境の中で粉体原料を定量搬送する装置になりますので、異物混入のコンタミリスクは低いと言えます。しかし、ホッパーへの原料投入やフィーダー排出口などが開放されていると、外部からの異物が混入する可能性もあります。

異物混入防止のためには、スクリューフィーダーを完全密閉型のものにすることが効果的になります。供給装置を密閉することで、外部からのゴミやほこり、作業環境内の異物が供給過程で混入するリスクを大幅に削減できます。また原料によっては、摩耗や腐食によって異物を発生させるリスクもありますので、耐摩耗性や耐腐食性を考慮した部材を使用することによって、粉体との摩擦による金属粉の発生を防ぐことも重要になります。

さらに、スクリューフィーダーの洗浄、清掃作業を定期的に行い、異物が堆積するのを防ぎます。SMスクリューフィーダーであれば、工具レスで簡単にスクリューまで分解・洗浄できる設計になっているため、日常頻度の高いメンテナンス性にも優れています。

2. エア吸引ローダーによる密閉搬送での異物混入防止

エア吸引ローダーは、密閉搬送を行う構造のため、搬送中に外部の異物が粉体に混入するリスクは極めて低い装置です。

ただし、搬送する原料を吸引ノズルを使って吸わせる場合には、開放状態となるためコンタミリスクが伴いますので注意が必要です。異物混入防止をより完全なものにするためには、粉体原料をホッパーへ溜めておき、スクリューフィーダーのホッパー上部へ装着した吸引ローダー本体までホースで接続、というシステムを組めば、完全に密閉された環境で粉体搬送を行うことが可能になります。

原料によっては、ホースを削ることで異物混入させてしまう可能性もありますので、材質等に関して注意が必要です。

3. タンブラーミキサーでの異物混入管理

タンブラーミキサーは、混合容器に密閉タイプのステンレスタンクを使用しているため、混合中に異物が混入するリスクは極めて低いといえます。ただし、原料を仕込む際は開放状態となり混入リスクは避けられませんので、徹底するのであれば、原料投入前に異物除去のためにフィルターを通しながら投入するなどのケアが必要になります。

接粉部は、密閉タンクの内面のみですので、混合中に異物が混入することは通常考えられませんが、タンク蓋との間に粉漏れ防止のシリコンパッキンを使用していますので、このパッキンが破損して中に混入しないよう、清掃時にチェックすることは必要です。

ただし、扱う原料が金属の場合には、容器との摩擦によって摩耗した金属粉が混入することも考えられますので、耐摩耗性を考慮してライニング処理するなど検討の必要があるかもしれません。

密閉性の高いミキサーの性能を最大限に生かすためにも、周囲の環境を整えることは重要なファクターとなります。

まとめ

異物混入防止は、製品の品質と安全性を守るために不可欠な要素です。スクリューフィーダーによる供給プロセスの密閉化、エア吸引ローダーでのクリーン搬送、タンブラーミキサーでの密閉型混合と清掃の徹底を組み合わせることで、異物の混入リスクを最小限に抑えた製造プロセスを実現できます。

これらの装置を適切に活用し、製造ラインのクリーン化を推進することで、異物混入による製品の不良や安全問題を回避し、信頼性の高い製品を市場に提供することが可能になります。