粉体原料を使用した製造工程で出た不良分をリターンして再利用する際の粉体供給機、エア搬送装置、粉体混合機、それぞれの重要な役割について紹介します。
1. スクリューフィーダー
スクリューフィーダーは、粉体やリサイクル原料を一定の速度で供給する装置です。リサイクル工程において、以下のように役立ちます。
- 均一な供給: リサイクル原料が新規原料と混合される際に、スクリューフィーダーを使うことで、一定量の原料を正確に供給でき、均一な混合が実現します。これにより、リサイクル原料の使用割合が安定し、製品品質を保つことが可能です。
- 供給量の調整: 原料の供給量を細かく調整できるため、リサイクル原料と新品原料のバランスを最適化し、劣化したリサイクル原料が過度に使用されないように管理できます。
- 詰まりの解消: 粉体の流動性が悪くなるリサイクル原料に対して、スクリューフィーダーやホッパー内でブリッジ対策を行うことで、詰まりのリスクを低減し、安定した供給が可能です。
2. エア吸引ローダー
エア吸引ローダーは、粉体や顆粒状の原料をエアフローを利用して搬送する装置です。リサイクル原料の搬送や再利用工程で次のように活用できます。
- 粉体の効率的な搬送: リサイクル原料をエア吸引ローダーを使ってスムーズに搬送できるため、工程間での搬送時間が短縮され、作業効率が向上します。また、粉体が滞留しにくく、搬送時の詰まりのリスクも軽減されます。
- 粉体の劣化防止: エア吸引ローダーは粉体に優しい搬送が可能で、リサイクル原料が搬送中に物性が変化したり劣化したりするリスクを減らすことができます。これにより、リサイクル原料の品質を保つことができます。
- クリーンな搬送環境: エア吸引ローダーは密閉された搬送システムが多いため、粉体の飛散や作業環境の汚染を防ぎ、クリーンな環境でリサイクル原料を扱うことができます。
3. タンブラーミキサー
タンブラーミキサーは、粉体を均一に混合するための回転型ミキサーです。リサイクル原料と新品原料の混合において、以下のように役立ちます。
- 均一な混合: リサイクル原料と新品原料を均一に混合することが非常に重要です。タンブラーミキサーを使用することで、異なる物性を持つ原料でも効率的に混合でき、製品の一貫した品質を維持できます。特にリサイクル原料は流動性や粒度が異なる場合があるため、タンブラーミキサーの回転混合によって偏りなく混ぜ合わせることが可能です。
- リサイクル原料の均質化: タンブラーミキサーは粉体を滑らかに撹拌し、リサイクル原料の凝集やダマを解消しやすいため、混合前に原料が均質化しやすくなります。これにより、原料の品質を均一に保つことができます。
- 粉体の劣化防止: タンブラーミキサーは粉体に対して優しい処理を行うため、リサイクル原料を摩耗させず、粉体の物性を維持しながら効率的な混合が可能です。
総合的な役割
これら3つの機器は、リサイクル原料の効率的な再利用を支えるための重要な装置です。スクリューフィーダーでリサイクル原料を正確に供給し、エア吸引ローダーで効率よく搬送し、タンブラーミキサーで均一に混合することで、リサイクル工程全体の精度、効率、品質を向上させることが可能です。また、これらを組み合わせることで、リサイクル原料を新品原料に近い状態で再利用でき、コスト削減と環境負荷軽減の両立を実現します。
