問題解決事例

粉体製造ラインの自動化-人的ミスを減らすための対策と機器構成

粉体を扱う製造工程において、作業の効率化や精度向上を図るためには自動化が不可欠です。自動化を進めることで、人的ミスを減らし、製造プロセス全体の安定性を向上させることができます。

1. スクリューフィーダーの自動化による安定供給

スクリューフィーダーは、供給量を自動で制御することで、作業者の介入を最小限に抑えながら正確な供給を行います。自動化を進めることで、以下のようなメリットが得られます。

  • 自動供給量調整:スクリューフィーダーの供給量調整はインバータでスクリュー回転数を調整することで行います。単に定量供給するだけであれば連続供給のみ、供給量を重量でデータ管理する必要があれば、フィードバックシステムを組みます。確実に必要な量を供給することで、過不足供給のリスクが軽減され、生産効率が向上します。
  • 連続運転の実現:自動化されたスクリューフィーダーは、24時間体制で安定した供給を維持できるため、製造ラインの稼働率を最大化できます。人的な操作が不要となり、供給ミスや誤差も削減されます。

2. エア吸引ローダーによる自動搬送システム

エア吸引ローダーは、粉体の自動搬送を行い、ホッパーへの原料補給という従業員の作業負担を大幅に軽減するとともに、ミスを防ぐ搬送システムです。

  • 自動搬送経路の設定:粉体を確実に高所設置のホッパーへ搬送補給するようシステムを組むことができます。これにより、手作業による原料の持上げ作業や投入時に発生する飛散・異物混入のリスクを大幅に削減できます。
  • 搬送タイミングの自動設定:搬送先ホッパーをセンサにて管理、補給タイミングで信号をもらい作動します。停止もホッパー側の上限センサとの連動で行います。粉体特性により吸引・停止時間を設定し、最適な条件で搬送を行います。ホース内へ残さず確実に吸いきることで、搬送途中での閉塞問題を防ぎます。

3. 自動化の導入効果

製造ラインの自動化を進めることで、以下の効果が期待できます。

  • 人的ミスの削減:手作業による操作が減り、自動化されたプロセスによって一貫性が保たれるため、供給ミスや搬送ミスが発生するリスクが大幅に低減します。
  • 作業者の負担軽減:繰り返しの重労働や繊細な操作が不要となるため、作業者の疲労や怪我のリスクが減少し、より安全で効率的な作業環境を提供できます。
  • 生産性の向上:製造工程が自動化されることで、24時間稼働が可能となり、全体的な生産能力が向上します。また、稼働状況をリアルタイムで監視できるため、異常が発生した際の対応も迅速に行えます。

4. まとめ

粉体製造ラインの自動化は、作業効率の向上と人的ミスの削減に大きく貢献します。粉体原料の自動補給搬送と自動定量供給を組み合わせることで、製造プロセスが最適化され、安定した高品質な製品を効率的に製造することが可能です。作業者の安全を確保しつつ製品の安定化を求められる現代では、今後一層欠かせない設備投資になってくるものと思われます。